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2. ベルリン窓から見えた景色 [1986年~91年東ドイツ回想録]

1987年 リビングの窓から 

真ん中奥の白い近代的な建物あたりはもう西ベルリンになる。
ブログに載せようとアルバムを開いてみると、初めのころの写真があまりないのに気がつく。
自宅から旅行に出た時の写真はけっこうあるのだけど、日常の写真を撮る習慣がなかったのだ。
思えば、残念ながらこの生活の記録を残すために・・とかあまり考えていなかった気がする。
もう少し郊外へ行けばきれいな所もたくさんあるのだが、外国人の住む家は当局から決められている場合がほとんどで、我々のいたアパートには各国の大使館の方々、企業の方々などが住んでいた。アパートの周りはいつも警察の見張り、部屋の中には盗聴器、そして電話は常に盗聴されているという環境だった。外国人が監視されているということの他に、東独人が西側の外国人、つまり資本主義の文化に触れないように、監視しているという意味もあった。

1987年 裏の窓から 

手前からドイツ教会、その向こうにコンツェルトハウス、フランス教会。
教会の左の白い近代的な高層ビル(IHZ)の中に夫の勤務先があった。
そしてそのビルをずっと左手の方へ行くと、ブランデンブルグ門の方へ続いている。
夕飯の下ごしらえが終わると、夫の帰りを待っていつもこの景色を眺めていたことを思い出す。
うちのアパートと教会の間はこんな風に資材置き場になっていたのだが、
後にここは現ヒルトンホテルが建つことになる。

たまたま2枚ともお天気の良くない日の写真なのだが、イメージとしてはこんな感じ。
西ベルリンはカラー、東ベルリンはモノクロ。
でも今となっては素朴なオストな場所が貴重になっている。
それにしても、なんでこんなに写真の撮り方がヒドイのでしょう・・
この時、まさかこの写真をブログで公開しようなどとは夢にも思ってなかったけど・・・↓


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コメント 12

ブルーメン

うわぁー当時の貴重なお写真ですね!
主人がベルリンに興味があるので帰ったら見せます^^
次回も楽しみにしています!
by ブルーメン (2007-07-26 01:03) 

めぎ

すごいすごい!感動です。
ヒルトンがここに・・・ヒルトンの下にはこんな地面が・・・
盗聴されていたんですよね、電話などで話しにくかったことはありましたか?
西ベルリンに行ったときにかけていらしたのかしら。
その頃って、電話代がものすごく高かったですよね。
by めぎ (2007-07-26 03:47) 

貴重なお写真です☆時代の流れを感じます~
娘が9月にドイツに行くので、興味がありますので
楽しみに拝見させてもらいます。
by (2007-07-26 10:18) 

なお

え~っ!部屋に、電話に盗聴器!
心が休まる暇がなかったのでは・・・
お外を楽しく散策とか、風景を写真に取るなども
制約があったのでしょうね・・・
ぬくぬくのジャパンしか知らない私には、ショックです。
by なお (2007-07-26 12:26) 

noie

とても貴重なお写真を掲載しいただき、ありがとうございます。
西ベルリンはカラー、東ベルリンはモノクロ・・・まさにそうでしたね。
日本は盗聴器なんて、よほどのことが無い限り取り付けられていることは、
ありませんが、東ドイツでは、当たり前のことだったようですね。
家族でもめったなことは口にできず、母親の事をチクった子供が表彰されたりしていましたものね。メールやインターネットが当たり前になり、ずいぶん昔話のようですが・・・まだ20年も経っていないですもの。感慨深いですね。
by noie (2007-07-26 14:34) 

rino

satoeさま
きっと退屈まぎれに撮った写真だと思います。
まさか東がなくなるとはそのときはだれも思ってなかったのです。
だからそれがこんなに貴重な写真になるとは・・思ってもみなかったということなんですね。
by rino (2007-07-26 19:48) 

rino

めぎさま
電話はたしかに途中で切れてしまったり、混線したりはたまにありました。
電話は家にありました。何せ、高級アパートでしたから(笑)。でも、私の話す内容なんて、国家の機密事項でもなんでもないですから
あまり気にしてませんでした。ただ東独の悪口などは言わないようにしてましたけど・・。困ったのは、東ベルリンから西ベルリンにかけるのが一番繋がりにくかったので、当時西ベルリンに住んでいる友達とのおしゃべりが楽しみのひとつだったので結構大変でした。
by rino (2007-07-26 20:01) 

rino

夢空さま
ドイツはこんな歴史をつんできたんですね。私も写真を引っ張り出してきて又改めて思いました。後の1998年にベルリンを旅行で訪れたときはこのあたりは随分変わっていました。娘さんはどちらの町に行かれるのですか?
by rino (2007-07-26 20:10) 

rino

ゲストのなおさま
コメントをありがとうございました!
家の中に盗聴器が本当にあったかどうかは実は私達にもわからないんです。が、あって当然の秘密警察国家でした。外の散策はもちろん全く大丈夫でしたが、国境検問所の中で写真を撮るとか、当局の重要な施設にむけて写真を撮るとかそういった行為はできませんでした。
不思議とどんなところでも我が家なんですね。家の中だけが自分達の日本でお城のようでした。
by rino (2007-07-26 20:23) 

rino

noieさま
本当に!たった20年前はまだそんな世界もあったんですよね。
資本主義、自由主義の国で生まれ育った私には理解できないこと、なぜ?どうして?っと思えることばかりでした。
by rino (2007-07-26 20:29) 

おはようございます。
メッセージを送りました~☆
by (2007-07-27 08:10) 

rino

夢空さま
メッセージ受け取りました!ありがとうございました!
by rino (2007-07-27 23:57) 

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