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9. 友達の結婚式Hochzeit [1986年~91年東ドイツ回想録]

今からちょうど20年前のお話。
まだ東西冷戦の象徴ベルリンの壁があった時代。

この写真は東ベルリンで友人の結婚式に出席した時の1枚。

新郎は日本人、新婦は東ドイツ人である。
半年待ってやっと国から結婚の許可が下りての、結婚式だった。
日本人男性の方は夫とは同業他社の日本企業独身駐在員。
東独人女性はこれまた別の日本企業の現地雇員として働く日本語も堪能な才女・キャリアウーマンだった。

当時の東ドイツと取引のある日本企業などは同じビル(International Handels Zentrum)の中に事務所を構えている場合が多く、当時、この独身同士の若者なら出会うべきして出会ったと言ってもおかしくはないと思う。それに、お2人とも美男美女、女性の方はドイツ人らしからぬ、小柄でほっそりした美女だった。
男性の方は夫と同じ年、女性も私と同じ年である。
東ベルリンには日本人は数えるほどしか住んでいなかった。お互い同年代だったのもあり、休みの日にテニスに行ったり、一緒にドライブに行ったり食事をしたりしてとても親しくなった。
彼らは結婚の約束をしていて、役所に結婚の申請をしていたのだが、なかなか許可が下りず、
随分大変な思いをしていた。
当時の体制を考えると、結婚で国外へ出るという手段があるため国際結婚は難しい状況だったのだ。偽装結婚などもあったそうなので、早々許可が下りるものではなかった。

式の後、グランドホテル(Friedrich str.)にてお食事。

日本人男性の方は、日本から駆けつけたご両親、会社の上司ご夫妻。
東独人女性の方は、ご両親と、妹さん家族、友人。
そして私達夫婦。
内輪だけでの結婚式。
式のあとは当時東ベルリンの最新最高級のホテル「グランドホテル」で披露宴が行われた。
私達にとっても、それまでの経過を知っているだけにとても感動的な結婚式だった。
東ドイツでの結婚式に戸惑いながらもとても嬉しそうにしていらした優しそうな、実直そうなご両親の姿がとても印象的だった。

彼らは結婚後、西ベルリンに住み、当時多くの日本人家庭がそうしていたように旦那さんが東ベルリンの会社に国境を越えて毎日出勤するという形をとった。その後・・、転勤で日本での生活を経て、現在は家族4人ドイツのある街で幸せに暮らしていると聞いている。

いつか再会できる日をとても楽しみにしています。。。


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コメント 21

miffy

結婚したお二人のとっても幸せそうな笑顔が素敵ですね^^
許可が下りるまでの長い道のりを考えるとこの笑顔もうなずけるような気がしました。
お二人が今も幸せに暮らしていらっしゃると聞いてこちらもうれしくなりました(^-^)
いつか再会できるといいですね~
by miffy (2007-08-26 19:51) 

なお

新郎新婦の幸せそうな笑顔!
幸せって素晴らしいですね!
あんなこともあったね、こんなこともあったね・・・
と幸せに思い出話が出来る日が早く訪れますように・・・。
by なお (2007-08-26 20:34) 

結婚ひとつとっても大変な時代だったのですね。
再会できるといいですね(*^_^*)
by (2007-08-26 21:51) 

Inatimy

東から西、そして日本、いろんな生活環境に慣れるのも
大変だったことでしょうね。
いつの日かの再会、楽しみですね。
by Inatimy (2007-08-26 23:06) 

素敵なお話しを伺うことができ嬉しくなりました。
再会されること願っております。
by (2007-08-27 00:06) 

めぎ

壁を越えて、国家を越えての結婚、感動的ですね。
お二人の思いが叶って良かったですね。その後両親にとってはきっと驚きととまどいばかりだったでしょうが、いい結婚式ができて良かったですよね。
by めぎ (2007-08-27 02:53) 

krause

遅ればせながら、「おめでとうございます!」。
by krause (2007-08-27 04:53) 

julliez

はじめまして。
素敵なお話ですね。
いつかの再会ができますように^^。
by julliez (2007-08-27 05:13) 

Baldhead1010

日本でも地域が違えば文化はかなり違いますが、これが外国となると、文化の違いや宗教観の違いで、なかなか大変でしょうね。
by Baldhead1010 (2007-08-27 06:25) 

hihimama

素敵な結婚式ですね^^ご苦労もたくさんあったことと思いますがきっとお二人の愛がすべてを乗り越えたんでしょうね^^
再会の日が楽しみですね^^ぜひその時にはハンガリーにもお越しください^^
by hihimama (2007-08-27 15:00) 

もとこさん。

一個人の結婚でも大変な国、時代があったのですね。良かったですね。
by もとこさん。 (2007-08-27 16:08) 

mint_tea

私の友人も、アフリカの某国の方と結婚する時、かなり苦労していました。
日本とアフリカ別々に住んでた間も、実際に交際があったかどうか調べられて国際電話の通話記録や手紙まで提出したとも聞きました。
お友達に再会できるといいですね。
by mint_tea (2007-08-27 21:31) 

noie

ドラマチックな人生ですね。お幸せに暮らしていらっしゃるようで、
本当に良かったですね。
by noie (2007-08-27 23:11) 

初めまして。興味深く拝見させていただきました。
東ドイツが存在した時代の、しかも日本人との国際結婚のお式の貴重なお写真。歴史を物語っていますね。当時小さかった自分は、こういうものにとても興味があり、また非常に勉強になります。
by (2007-08-27 23:31) 

polo

結婚するための申請が認可されるのも時間がかかり大変だったとは…
無事結婚されてお幸せそうで何よりです。
by polo (2007-08-28 02:05) 

rino

>みなさま

ご訪問&ナイス&コメントをいただき、貴重なお時間を昔の私的な思い出話にお付き合いくださいまして本当にありがとうございます!

彼女の事をもう少し。
彼女は東独の大学で日本語学科を卒業し、学生時代に日本に留学生として滞在していた時期もあり日本は少し知っていたのです。
国の大学の一環で留学したとはいえ、自由主義を見ていますから、そういう留学生の価値観というのはどういうものになっていったのでしょうか。
国としては頭の痛いところではなかったのでしょうか。
壁のある時代には当然彼女は西には行けなかったわけですが、結婚後
西ベルリンで彼女に改めて会った時には何とも言えない気持ちがありました。お互い夫がメッセなどで長く出張していない時期には女同士2人でロンドン旅行に行ったりもしました。彼女も自由を満喫していた時期だと思います。
数年後、お互いが日本にいる時期にも日本で再会しました。やはり自然の少ない、忙しい東京での暮らしは少し大変そうではありました。
その後、お互い転勤ですれ違いになったり、又彼女も紆余曲折ありながらご家族の落ち着ける場所としてドイツの地を選び、ご主人はドイツ企業に転職をし、お幸せに暮らしているそうです。

もう会わなくなって何年も経ってしまいました。
お互い子供も大きくなり・・チャンスがあったら次は会えるのではと思っています。


> julliezさま
はじめまして。ご訪問いただきましてありがとうございます♪
よろしかったら又覗いてくださいね。

> bonheurさま
はじめまして。ご訪問いただきましてありがとうございます♪
興味を持って読んでくださってうれしいです。
by rino (2007-08-29 11:00) 

rose

この頃は国際結婚なんてまだあたりまえの
時代じゃなかったんでしょうね・・・
情報も少ないだろうし、なんだか手続きも大変そうですね。
by rose (2007-08-29 18:23) 

rino

>roseさま
ご訪問ありがとうございます。
いつの時代もきっと大変なこともたくさんあるのでしょうけど、この時代は特に手続きが大変だったのでしょうね。
by rino (2007-08-30 07:56) 

Mimosa

昔の国際結婚は、申請しても許可がおりるまでかなり時間がかかったんですね~。そういう困難を乗り越えて、結婚出来るとさらに幸せになれそう...♪
それにしても、国境を越えて出勤・・・だなんて、初めて聞きました!
いつか、再会できるといいですね~。
by Mimosa (2007-08-31 07:45) 

rino

>Mimosaさま
ナイスとコメントありがとうございます。
お互いの国の体制の違いが障害になる・・というのはなかなか想像がつきませんよね。
by rino (2007-08-31 20:19) 

rino

>xml_xslさま
ご訪問とnice!をありがとうございました。
by rino (2007-08-31 20:21) 

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