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逆ウルルン滞在記 [日々のなにげないコト]

息子の学校からホームステイの話が来たとき、私は反対だったのです。

それには、私なりのいくつかの理由がありました。
まずうちはマンションで余分な空いている部屋はない。
学校から1時間以上かかるので遠い。
夫も単身赴任で留守だし十分にホストファミリーとしての役割が果たせない。
切羽詰った受験生の姉がいる。(実際、娘は二つ返事だったのですが・・)
私が英語から何年も遠ざかっているので全く自信がない。
そして、そして・・・
もっと学校に近くて大きくてふさわしい家があるでしょう・・・
こんな悪条件で我家にあたってしまった子に申し訳ない、という気持ちが
一番大きかったのです。

息子はどうしても自分が引き受けたいがために先生に
「母は反対だけど、やりたいんです」・・と言ったらしく、
男子の受け入れ申し出家庭が足りないこと、
(ロンドン近郊から男女合わせて16名が息子の学校に来た。)
他の家では親がやらせたくても子供が嫌だという家庭が
多いということ・・・などから学校からも何度かお電話があり、
本当に情けないんですが、しぶしぶ受け入れた状態でした。

しかし、やるとなったら楽しくやろうと思い
随分息子に愚痴ってしまったけれど反省反省・・・
どんな子が我家に来てくれるのか・・(イケメンかな~なんて・・・)

実際うちに来てくれた彼は金髪サラサラヘアーでとっても華奢でまだ幼さが残る
かわいい男の子でした。名はスコット君。(前回の記事に隠れ写真があります。)
学校の女子から大人気になり、ウインクを飛ばすような、茶目っ気たっぷり。
そして難しい数学の授業になると、どうどうと教科書も出さずに寝てしまって
先生に怒られるような、ちょっと困ったユニークな男の子でもありました。

息子とはジョークのセンスや、やわらかい話題(?)など、意気投合する部分も多く
受け入れをするにあたって、息子は最後まで自分で誠心誠意、
精一杯の彼のお世話とフォローをしました。
息子は当初、さんざん反対した私に
「家は遠いし、狭いけど、どこの家よりもウチに来て絶対良かったって思って
もらいたい
「お母さん、ホームステイは家じゃないよ。家族とどれだけいい関わりを持てたかだよ。
僕は絶対寂しい思いはさせない

・・・人として、私はとっても情けない母になってたんですね。。。。
そして息子は一生懸命にスコットとの10日間を何より自分が楽しんでいたようでした。


スコットは滞在最後の晩にもう一つ、自分が書いたお手紙をくれました。
それは、一生懸命日本語で書かれた感謝の言葉が並べられていました。

息子の言うとおり、
ああ、受け入れて良かった・・・と思いました。

そして、さらに翌日の土曜日。
偶然にも、今からちょうど1年前の今日。10月の最終土曜日でした。
集合場所まで送って、これでもう本当に最後のお別れ・・という場面。
まさに「逆ウルルン滞在記」。
スコットにも息子の目にも涙が・・・
息子の涙なんてもう何年も見てなかった私は、それにすっごく驚きながらも、
そしてその2人を見た私も・・・。

ホームステイを受け入れて、そしてスコットが来てくれて本当によかった・・・
「貴重な楽しい経験、ありがとう・・」




先日、夫の実家でいただいてきた柿です。
そういえば、スコットは日本の柿を「美味しい」と食べてくれましたっけ・・・




nice!(29)  コメント(43) 

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コメント 43

やおかずみ

rinoさん こんにちは
ほんとうに貴重な楽しい体験でしたね。良かったと思います。
by やおかずみ (2007-10-27 09:30) 

krause

ホームスティの受け入れ大変だったとは思いますが。結果として素晴らしい選択でしたね。
by krause (2007-10-27 11:36) 

nachic

素敵なお手紙!嬉しかったでしょう?
なんか一生懸命書いたんだな〜って思うと、うるうるっと
来ました。カレも、いろいろ食べられない事、気にはしていた
のかも?表現方法は、国や慣習によっても違いますし、表情だけ
では、わからないのかもしれませんね。
by nachic (2007-10-27 12:27) 

miffy

ホームステイの受け入れいろいろと大変でしたでしょうが、息子さんにとってもrinoさんにとっても素敵な経験になりましたね^^
スコットくんの手書きの手紙から彼が本当に楽しんだということがうかがえて感動しました。
by miffy (2007-10-27 13:11) 

rinoさんも、息子さんも、二つ返事で承諾されたお嬢さんも、素晴らしいですね。
「家は遠いし、狭いけど、どこの家よりもウチに来て絶対良かったって思って
もらいたい」「お母さん、ホームステイは家じゃないよ。家族とどれだけいい関わりを持てたかだよ。僕は絶対寂しい思いはさせない」
こんな風にはっきり言える中学生男子が日本にいるなんて!!!感動しました。なかなかいないですよ、こんなにいい子は!!(自分の家族にこんな子がいたなら、私は泣いちゃうかも・・・)
 スコット君からのお手紙とお別れのところで、もらい泣きしました・・・
 rinoさんの記事を拝見して、すごく温かい気持ちになりました。ありがとうございます。
by (2007-10-27 13:16) 

めぎ

一生懸命日本語で書いたスコット君の様子が目に浮かびます。
可愛いですね。私もちょっとうるうるしました♪
いくつか日本語として難しい文法が入ってるんですが、まちがいが全くない!スコット君ってよく日本語を勉強したんですね~
嫌いな教科や、外国語であるためによく分からないものに対しては、はっきりと態度で示すのも、こちらの人ならでは、という感じがします。
ドイツから日本へ同じように短期間留学した高校生たちも、もどってきてから改善点として、学校で日本語の教科の授業を全部受けなきゃいけないのをせいぜい半分程度にするべきだ、毎日毎日一日中退屈で死にそうだった、と強く主張してました。
by めぎ (2007-10-27 17:29) 

きまじめさん

息子さんしっかりなさっていますね。
ホームステイを引き受けることで、あらためて、息子さんの成長を確認できたのでは。
親を超えた考えを持っていることがありますものね。
読ませていただいて、私もなんだかウルルンしてきました。。
by きまじめさん (2007-10-28 00:21) 

mint_tea

rinoさんの息子さんもスコットくんも、素直で可愛いですね~。息子さんの涙なんて見ちゃったら…だめですね~私までうるうるしました。スコットくんもまだまだ子供だったのかもしれないけれど、息子さんの真っ直ぐな気持ちやrinoさんの暖かい心が、彼の将来にきっと良い影響があるだろうと思います。
by mint_tea (2007-10-28 00:37) 

noie

素敵な息子さんですね。
rinoさんの家にホームスティしたスコット君はとても幸せだった
と思います。
文化や食事の好みなど、大変ご苦労なさったと思いますが、
こんな可愛らしいお手紙を送られると、全部がよい思い出に
変わりますね。お疲れ様でした。
by noie (2007-10-28 00:52) 

ご苦労はあったと思いますが、rinoさんをはじめとするご家族の皆様方のやさしさがスコット君に伝わりとてもよかったですね。
お手紙のなかの、イギリスに帰ったら、とても寂しい
と言う文章には、こちらも、グッときました・・・・・・

素敵なお話しありがとうございました。
by (2007-10-28 04:56) 

Baldhead1010

うちが受け入れたのは大人夫婦のアメリカ人でしたが、いまでもおつきあいをさせてもらってます。

これも何かの縁だと、うれしく思っています。
by Baldhead1010 (2007-10-28 08:51) 

Mimosa

ホームステイの受け入れ、大変そうでしたが素敵で貴重な経験になりましたね~。
日本語で一生懸命書いたスコット君の手紙を見ると、rinoさんの心境になったようで、うるうるしちゃいました~!
rinoさんや息子さんやスコット君共々みんな、いい思い出になったことでしょうね~☆
by Mimosa (2007-10-28 14:35) 

rose

ルーマニアから帰ってまいりました。
とてもウルルンなお話ですね~さかのぼって読ませて
いただきました♪

私がイギリスに留学中、TVでイギリスの学校給食の話題が出ていましたが、まさに驚愕・・でした。揚げ物中心で、(ポテトフライや冷凍食品)しかもセルフサービスだから野菜などは手をつけない、という子供達、たくさんです。フランスの給食ではイギリスの数倍のお金がかけられているそうです。

テレビで取り上げられたことによって今、改善されつつあるみたいですが、私の通っていたカレッジもチップスにチョコレートというお弁当を持ってきている学生多かったです~・・・

でも、素敵な経験ができて良かったですね!
by rose (2007-10-28 16:14) 

rinoさんのご苦労もお手紙一枚で吹き飛んだのではないでしょうか。
素敵なご子息で、将来が楽しみですね☆
スコットくんも、良い体験をされたのでは。(^_^)v
by (2007-10-28 17:51) 

naomama7

はじめまして。ご訪問ありがとうございます。
実は私も、夢空さんから何度か飛んだんですが、
niceやコメントを出来ずにいたんです。
すみません。
でもご訪問いただいて感激でした。
スコットの手紙を見て私まで涙腺が。。。
最近涙腺がもろくていけません(笑)
これからまた、よろしくお願いします。
我が娘も、こんなふうにホームステイ受け入れする日が
くるのでしょうか?
by naomama7 (2007-10-28 19:01) 

Inatimy

お手紙に、なんども、「ありがとう」の文字が。
とっても素敵な滞在だったことが、よ~く伝わってきますね♪
by Inatimy (2007-10-29 06:19) 

jyoji-san

「お母さん、ホームステイは家じゃないよ。家族とどれだけいい関わりを持てたかだよ。僕は絶対寂しい思いはさせない」。

こんな立派な心根を持った息子さんに育てあげたrino さんも素晴らしい。
(ブログイラスト担当のjyoji-sanより)
by jyoji-san (2007-10-29 23:29) 

マダム・リー

「あまりたべられなくて、すみません」の一言にジーンです。
やはり彼も気にしていたのですね。
今頃スコット君はどうしているでしょう。少しは野菜も食べられる
ようになったかな?
by マダム・リー (2007-10-30 19:21) 

もとこさん。

rino様、大変大変お疲れ様でした。彼は彼流のやり方で日本滞在とrino family との生活を楽しんでいたのですね。
大人になった日に、彼はこの経験を通して大きな人間に成長するのではないかしら。
by もとこさん。 (2007-10-31 02:32) 

rino

>みなさまへ

3回に渡ったホームステイホストのお話にお付き合いくださいまして
ありがとうございました。
いろいろな経験をたくさん持っていらっしゃる皆様のコメントや、
あまり馴染みではない話題にも興味を持ってくださり、感想を載せてくださる、貴重なコメントに私の方もいろいろと勉強になりました。

文化の違いは度々感じる機会がありましたが、
そういうものに触れる度に驚きもあり、正直「えっ?」と思うことも
ありますが、それは同時にとても興味深く、
楽しい経験でもあるのです。
一つの国の文化でもあり、それはまたその国の中でも地域によって
違ったり、または、育った家庭でもあり、人それぞれでもあるのですね。
相手の文化を理解しようとしたり、尊重していくことの大切さなど・・
そんなことを改めて感じました。

息子はこのホームステイの受け入れに遡ること3ヶ月ほど前の夏休みに
単独フライトでドイツの父親を訪問し、そのうちの1週間をベルギーの
スパ近郊の語学学校で寮生活を経験しました。
ヨーロッパ各国の子供たちの中に日本人一人が入り、始めの2日位は
何がなんだかわからず大変だったそうです。
一応、英語を学ぶコースだったのですが、
夜になると、それぞれの国の人同士が集まり自国の言葉で話してしまう
ため、始めはそれが何語かも全くわからず、きつい思いもしたのでしょう。
たった1週間のそんな自分の体験から
「寂しい思いはさせない。」という言葉が出たのでしょう。
  (注)息子は中学入学と同時に普通にABCから英語を始めたので、
     決して堪能というものではありません^^;
by rino (2007-10-31 11:26) 

rino

>やおかずみさま
狭いマンションを一生懸命かたずけたり・・いいキッカケにもなりました(笑)
by rino (2007-10-31 11:31) 

rino

>krauseさま
はい、さんざん反対して、でも結果オーライってこと、結構あるんですよね。
by rino (2007-10-31 11:32) 

rino

<nachicさま
食べれないことは彼の日常なのでしょうが、やはり気にしていたのだと
思います。そういう体質な子では異国ではなおさらでしたよね。
by rino (2007-10-31 11:35) 

rino

>miffyさま
家が狭いとか料理がどうかとかより、子供同士が仲良くなって
楽しめたことが一番良かったのでだと思いました。
by rino (2007-10-31 11:36) 

rino

>bonheurさま
ありがとうございます。
息子がこんなに熱い思いで反対した私を説得したのには
正直おどろきました。
まだ子供で純粋だったのですね。いつまでもこんな気持ちのままで
いてほしいなんて思いますが・・・・どうなりますか・・・
by rino (2007-10-31 11:40) 

rino

>めぎさま
めぎさん自身、このような生徒を教える立場にいらっしゃるんですよね。
日本の学校を訪問に際して、日本語の勉強している年数はそれぞれ
でしたが、スコットは1年くらいだったそうです。
普段私が日本語で話しかけて、少しはわかりましたが、あまり積極的には
話そうとはしませんでしたが、それにしても1年でこれだけ書けるのはすばらしいと思いました。
そして、学校の授業はすべて一緒ではなく、日によっては、スコットたち
留学生だけのオリエンテーションや、博物館見学なども盛り込まれていたようです。
by rino (2007-10-31 11:46) 

rino

>きまじめさま
家の広さとか、体面ばかりを気にする大人と違って
子供、特に男の子は純粋な部分がありますものね。
このときは本当に子供に説得させられました。
by rino (2007-10-31 11:49) 

rino

>mint_teaさま
ありがとうございます。ちょっとやんちゃ坊主のスコットが涙を見せるとは
思いもよらず、また息子の涙にも「えっ?ウソ??」って思いました(笑)
by rino (2007-10-31 11:51) 

rino

>noieさま
ありがとうございます。kitchen noieのパンだったら
百人力だったのに・・と記事を書きながら思いました(笑)
by rino (2007-10-31 11:53) 

rino

>自由人さま
ありがとうございます。彼がイギリスに帰ったあと、家族でしんみり
寂しくなりったものでした。
by rino (2007-10-31 13:02) 

rino

>baldhead1010さま
こんな広い世界に自分のことを知っていてくれる人たちがいて、
ましてや一緒に自宅で食卓を囲んだ縁というのはとても貴重ですね(笑)
by rino (2007-10-31 13:04) 

rino

>Mimosaさま
別れ際には、「世界ウルルン滞在記」の音楽がバックに流れているような
場面でした(笑) 良い思い出として残ってくれていると幸せです。
by rino (2007-10-31 13:07) 

rino

>roseさま
イギリス留学のお話ためになります。
息子が留学に興味があるので・・
私も先日ちょっとテレビで同じような話題を見て・・セルフサービスだと
自分の嫌いなものは食べないですものね。
栄養にそれほど気を使わないのですかね。。。
by rino (2007-10-31 13:11) 

rino

>夢空さま
子供もいつまでこんな純粋な志を持てるのか・・
大きくなるとなかなか単純には物事を考えられなくなるようで。。。^^;
by rino (2007-10-31 13:16) 

rino

>naomama7さま
コメントをありがとうございました。
こちらこそよろしくお願いします。
小さい時の経験っていろいろ影響するのだな・・と感じることも多いです。
by rino (2007-10-31 13:19) 

rino

>Inatimyさま
きっと一生懸命先生に聞きながら書いた手紙だったんでしょうね。
こちらも愛情を送れば、向こうからも愛情を持って返してくれるというのが
感じられ、良い経験になりました。
by rino (2007-10-31 13:21) 

rino

>jojiーsanさま
ありがとうございます。
小さい時の経験や、>みなさまへ のところでも書きましたが、ベルギーでの体験が言わせた言葉でもあったと思います。
息子に説得された出来事でした。
by rino (2007-10-31 13:24) 

rino

>マダム・りーさま
やはり、食べれなくて心配顔の私のことも気になっていたんでしょうね。
もう少し、適当にしておけばよかったのかもしれませんね。
とっても細い体だったので、大きく丈夫に育っていってくれているといいなと
願っています。
by rino (2007-10-31 13:27) 

rino

>もとこさま
ありがとうございます。
大人になって、また日本に来た時は訪ねてきてくれるといいなと
思っています。息子と、とてもいい関係を築くことができたので
きっと楽しい滞在だったのだと思いたいです。
by rino (2007-10-31 13:29) 

rino

>オデコさま、きぃさま、xml_xslさま、julesさま
nice!をありがとうございます!!
by rino (2007-10-31 13:33) 

風船かずら

rinoさんも勇気のある選択をなさいましたね。国が違う人の文化を理解し、心を繋ぐのはこんなふうにはじまるのですね。
by 風船かずら (2007-10-31 20:59) 

ブルーメン

ご無沙汰しています!
素敵な息子さんですね、たくましいです(^^)
記事を読みながら私も涙ぐみました!
素敵な体験談ありがとうございます!
by ブルーメン (2007-10-31 21:13) 

rino

>風船かずらさま
私は、文化の違いなど感じさせない子供同士の友情のようなものに
触れてちょっといい思いをさせてもらいました。

>satoeさま
スコットも息子もこの経験を忘れず、どこかでまた思い出してくれると
いいなぁと願っています。
by rino (2007-11-01 21:44) 

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